散在流星について

流星群の一生でご説明したとおり,流星群が形成された後に行き着くところは,流星群が散逸化して流星物質が太陽系内をさまよう「散在流星」です.

散在流星とは

散在流星とは,流星群に分類できない流星群のことで,毎日地球に降り注いでおり,空が暗ければ毎晩,夜半以降であれば一時間当たり数個は見られます.なお,ある研究論文では,一日約40~50トン地球に降り注いでいると考えられています.

日周変化と年周変化

日周変化(Diurnal Variation)とは,明け方に流星数が多く,夕方は,流星数が少なくなると言う毎日の変化です.これは,流星物質そのものがランダムに動いている中を,地球の進行方向が明け方の方向で,流星物質との衝突の可能性が夕方に比べると高まるためです.例えば人混みの中を歩くとき,正面から衝突する可能性は,自分の後方からぶつかる可能性に比べて高いということを,自分を地球,他の人たちを流星物質と考えればわかると思います.

日周変化

上のグラフは,流星電波観測で捉えている日周変化です.明け方に多く,夕方に少ないという傾向がはっきりと出てきます.また,春先少なく,秋に多い一年の変化「年周変化」も観測されます.

散在流星も興味深い

流星群に属する流星ではありませんが,散在流星も実に面白い流星です.周期流星群の場合,太陽系脱出速度内で公転するため,対地速度でも毎秒70kmちょっとが限界です.ただし,散在流星はそうとは限りません.太陽系の脱出速度を超えた流星を観測するときも「稀に」あります.また,軌道を計算すると,太陽系外の可能性がある流星も確認されており,散在流星を突き詰めるのはそれはそれで楽しいです.ただし・・・量が少ないので,継続した観測と観測網(多くの方の協力)が必要になります.


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