ペルセウス座流星群(8月)の基本情報・観測条件
ペルセウス座流星群(8月ピーク)について,基本情報や2023年以降のピーク時刻・いつ・どこを見るとよいか等の観測条件を提供しています.夏の風物詩ともいわれ,毎年夏休みの期間中に見やすい流星群です.目で見る眼視観測,雨や曇りなど天候問わず,昼夜連続して観測できる電波観測のそれぞれの観点で紹介します.
ペルセウス座流星群とは?
ペルセウス座流星群とは,毎年8月に豊富な流星数に加え,明るい流星が多く,夏休みということもあり凍える寒さもなく観測しやすい流星群です.流星電波観測でも捉えることはできますが,速い対地速度の影響で,エコー数は伸び悩みます.年によっては相当低いエコー数になることもあります.一方でロングエコーは豊富に捉えられ,ロングエコー数は年間最大です.
ペルセウス座流星群について
名称(和名) | ペルセウス座流星群 |
---|---|
学術名(コード) | Perseids (PER) |
出現期間 | (IMO)7月17日~8月24日 (IPRMO)8月11日~8月15日 |
ピーク太陽黄経 | (IMO)140°.0 (IPRMO)139°.95 ※ピーク日時は年によって違う. |
ピーク時放射点 | 赤経 46°.2 / 赤緯 +57°.4 |
特徴 | (IMO)極大出現数(ZHR):100,光度比2.6 (IPRMO)ActivityLevel=1.2,FWHM= -0°.65/+0°.70 |
母天体・対地速度 | 109P/Swift-Tuttle,V∞=59km/s |
[上表について]
※和名は国立天文台に準拠
※学術名及びコードは国際天文学連合(IAU)に準拠
※それら以外は注釈がない限り国際流星機構(IMO)のデータを優先
極大夜の観測条件(2023年~2030年)
8月 JST |
極大時刻 140°.0 |
月齢 | 条件 (眼視) |
条件 (電波) |
コメント |
---|---|---|---|---|---|
2023 | 8月13日17時 | 26 | 月は2時頃昇る.そこまでが勝負だが,ピーク時刻は夕方 | ||
2024 | 8月12日23時 | 9 | 月は23時頃に沈む.夜半以降が好条件.ピーク時刻もまずまず | ||
2025 | 8月13日05時 | 19 | 21時頃月が昇るため,月明り対策は必要.電波は好条件 | ||
2026 | 8月13日11時 | 0 | 新月もピーク予想は日中で条件は惜しい.電波は好条件 | ||
2027 | 8月13日17時 | 11 | 薄明開始2時間前に月が沈む.通常ピークは夕方だが13日未明は要チェック | ||
2028 | 8月12日23時 | 22 | 通常ピーク1時間前に月が昇る.電波は12日夕方放射点が低いが要チェック | ||
2029 | 8月13日06時 | 3 | ピークは薄明中も月明りがなく好条件.電波も好条件 | ||
2030 | 8月13日12時 | 14 | 満月と日中ピークで悪条件.電波はまずまず |
- 月齢は8月13日です.情報はこよみのページより.
- ピーク時刻はFAS府中天文同好会のページより太陽黄経から換算(10分ほどの誤差があるとのこと).なお,ピーク時刻が00分~30分までは前の時刻で表示しています(例:06:28の場合は06時と表記).
- 時刻は日本時(JST).
- 観測条件は,眼視の場合,ピーク時刻における月齢・薄明・放射点高度から判断.電波観測条件は,ピーク時刻における放射点高度より,,,,の順で表記.基本的に本プロジェクトの独断なので,他サイトとは違う表記の場合があります.
ペルセウス座流星群の歴史
ペルセウス座流星群は少なくても2000年近くは継続して観測されている歴史ある流星群です.記録も紀元前から始まり,様々なところで記録に残っています.その量はかなり膨大なものになります.1862年前後はかなりの規模の活動が見られたようです.その後もZHR60前後の活動が安定的に観測されています.
1991年に日本やアジアでZHR350(IMO記録)のピークが通常時の極大より少し前に観測され,多くの人を驚かせました.その後,1992年も日本やアジアの各地で多くの出現が観測.1993年以降は徐々にこのピークによる活動は衰退し,現在では従前の活動が残るのみとなっています.
一方,ダストトレイル理論により,2004年にはZHR150付近の突発的な活動が予想され,予想通りの出現が観測されました.また,2016年も予想通りの活発な活動が観測されています.それ以外は例年通りの活動が安定してみられていますが,2014年以降,電波観測では観測されるピーク値が高めに出ています.
この他,太陽黄経141°.5付近で活動レベルが上がる年が時々観測されており,2021年は通常の2倍程の突発出現が観測されました.
ペルセウス座流星群の観測結果
過去の流星電波観測結果によるペルセウス座流星群の観測結果を収録しています.
参考ページ・出典
- 国際流星機構(IMO)
- 国立天文台
- 国際天文学連合(IAU)
- 流星の部屋(内山茂男氏)
- HandBook for Visual Observation – The International Meteor Organization (1995)
- A new Working List of meteor showers (Rainer Arlt et al), WGN 34:3(2006)
- Meteor Shower Workbook 2014 (J.Rendtel) – International Meteor Organization (2014)
- 2023 Meteor Shower Calendar (J.Rendtel) – International Meteor Organization (2022)
- The Big Supprise: A Late Perseids Outburst (Miskotte K. et al.) – eMeteorNews (2021)
- IAU Meteor Data Center