ステップ2(必要機材:受信機を選ぶ)

流星電波観測を行うための必要機材ですが、「受信機」「アンテナ」「その他」にわけてご紹介します.




ステップ2-1:受信機を選ぶ

流星電波観測を行うために、電波を受ける「受信機」がないことには始まりません.まずは受信機を選定しましょう.ご自身にあったものを選ばれるとよいでしょう.

ソフトウェアラジオ(SDR)

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ソフトウェアラジオ(SDR;Software Defined Radio)はパソコンに受信機の大部分の機能をもたせたもので,ここ最近,世界的にも多くの方が使うようになっています.受信機としては安価でありつつも,流星電波観測を行うにはまったく問題ありません.これから始める方は,このSDRを使うのが良いでしょう.ただし,あまり安いもの(2,3千円のもの)を購入すると,受信周波数が安定しないこともあるようです.お勧めは,高精度で温度補償型の水晶発振器のある、R820T2&SDR+TCXO(温度補償型水晶発振器1PPM)(Amazon)やAirspy mini(マルツオンライン / Amazon)などです。

R820T2&SDR+TCXO(温度補償型水晶発振器1PPM)は私も使用していますが,受信周波数はほぼピッタリで,まったく問題ありません.ノートパソコンにUSB接続なので,電源も不要で,観測セットとしてもお手軽です.なお,検索する際に,R820T2&SDRだけとかにすると,温度補償型水晶発振器ではないものが出てくるので注意してください(値段も前述のとおり安いです).

なお,受信機とパソコンの間はUSB接続ですが,アンテナケーブルの自由度が効きにくいので,差し込みに変な力がかかる可能性があります.従って,できれば,USB延長ケーブルで,パソコン本体と受信機との間を接続しましょう(長さは最短でいいです).なお,あまり安価なものや古いものを使うと,USBケーブルからノイズが出ることがあります.従って,ある程度はしっかりしたものを購入されたほうがよいでしょう.(参考までに私が購入したもの:Nimaso USB 延長ケーブル USB3.0規格 1.0m

購入からソフトウェアのインストールまで,杉本弘文さんのホームページに詳しく記載されていますので,こちらをご参照ください.

汎用無線受信機

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通常の無線受信機を購入する場合は,無線店に行けば購入できます.私は「ICOM IC-R75」を使っています.周波数を自由に変更できるので,柔軟性は高いです.無線機は様々な種類があります.観測されたい周波数(日本では50MHz帯)が受信できるものを購入してください.過度なものを買う必要はないです.
なお,音声出力部分がミニプラグではないケースが多いので,パソコン側へ音声を入れることを想定すると,ミニプラグへの変換コネクタを購入することも忘れないようにして下さい.

既にアマチュア無線の受信機をお持ちの場合は,それを使用することができます.受信周波数を受信されたい周波数から少しずらして(800Hzくらい下げることをオススメ)SSB又はUSBモード(又は受信周波数のCWモード)に設定,そして必ずでAGCはOFFにして下さい.

初心者の方でも設定そのものは簡単ですが,高価なのが欠点です.とはいえ,中古品もあまり骨董品に近いと,そもそも表示されている周波数と実際受信されている周波数にズレが生じているケースもあると聞いたことがあります.中古品を購入されるにしても,しっかりとしたお店で購入されることをお勧めします(特にインターネットの中古品は,金額に大きな幅があるので要注意です).

 

HRO専用受信機(現在は製造中止)

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2000年頃には,HROの専用受信機がありました(写真左).その後,左の受信機で課題となっていた温度による周波数変動を抑えたりとバージョンアップされた受信機が写真右です.金額も比較的安価で,とてもよかったのですが,現在は販売していません.これらの受信機は,受信周波数が53.750MHzに設定されているので,そのままでは現在は使えません.受信する周波数に変える必要があります(初心者には難しいのであまりお勧めしません).
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左が初代HRO受信機:HRO-RX1a(9,800円),右側がVerUpされたHRO受信機:MRK50(15,000円)


ステップ1:使用周波数をきめる  ステップ2-2:アンテナを選ぶ